定期的にお手入れをすると、 はしなやかさを保て、汚れが革の表面に入り込むのを防げます。以下は、仕上げ加工された(スムースな)レザージャケット向けの一般的な方法です。スエードやヌバックはスムースレザーとは別の製品が必要なため、まずお手入れ表示やメーカーの指示に従ってください。
ポイント
- 水分を使う前に、乾いたマイクロファイバークロスでほこりを落とします。
- クリーナーは必ず目立たない場所で試し、クロスは濡らしすぎず湿らせる程度にします。
- 直射日光、暖房器具、ドライヤーを避けて、風通しのよい場所で自然乾燥させます。
- 保湿剤はお手入れ表示やメーカーの指示に従い、どの製品もまず試してから使います。
- 厚みのあるハンガーにかけ、日光や湿気を避けた風通しのよい場所で保管します。
まず革の種類を知る
革の種類によって、お手入れへの反応は異なります。フルグレインレザー (full-grain)は、自然な表面の模様が残り、着込むほどに味わい(パティーナ)が出てくるため、やさしく扱う必要があります。トップグレインレザー (top-grain)は表面の加工が多く仕上げ処理されていますが、慎重に扱うという点は同じです。表示やメーカーがプロのクリーニングのみを勧めている場合は、自宅での方法ではなくその指示に従ってください。
用意するもの
- ほこり落とし用の柔らかいブラシ、または乾いたマイクロファイバークロス。
- 拭き取りと乾拭き用の、毛羽立たないクロス。
- お手入れ表示やメーカーの指示に沿った、その革の種類向けのレザークリーナー。マイルドな石けんは、メーカーが認めている場合のみ使います。
- 厚みのあるハンガー。
換気のよい部屋で作業し、ジャケットの下にタオルを敷きます。革が湿っている間は、ペットや食べ物を近づけないようにしてください。
クリーニングの手順
1. ほこりや汚れを落とす
ジャケット全体を乾いたマイクロファイバークロスで拭くか、柔らかいブラシで軽くブラッシングします。ほこりがたまりやすい縫い目、襟、袖口に注意してください。力は軽くで十分です。表面を傷つけずに浮いた汚れを取るのが目的です。
2. 状態を確認して試す
革に水分をつける前に、お持ちの に、シミ、擦れ、カビ、縁の傷みがないか確認します。次に、裾の内側や襟の下など目立たない場所でクリーナーを試します。乾くのを待ち、色の変化や硬さが出ていないか確認してください。少しでも違和感があれば作業をやめ、革の専門家に相談しましょう。
3. 汚れた部分をスポット洗浄する
お手入れ表示やメーカーが湿式のお手入れを認めている場合は、柔らかいクロスをぬるま湯で湿らせます(指示があれば、その革向けのクリーナーを使います)。滴らない程度までしっかり絞り、汚れを円を描くようにやさしく拭きます。水分を含ませすぎると水ジミができたり革が硬くなったりするため、小さな範囲ずつ作業し、残った汚れは別のきれいな湿らせたクロスで拭き取ります。
4. ジャケット全体を拭く
仕上がりを均一にするため、一部だけきれいにせず、同じ湿らせたクロスでジャケット全体をパーツごとに拭きます。パネルを次の縫い目まで拭き進めると、境目が目立ちません。拭いた部分は、すぐに毛羽立たないクロスで乾拭きします。
5. 自然乾燥させる
厚みのあるハンガーにかけ、直射日光や熱源を避けた涼しく風通しのよい場所で乾かします。ドライヤーや暖房器具は乾燥を早めますが、革を硬くしたり傷めたりするおそれがあります。焦らず待つこともお手入れの一部です。
6. 保湿の前にお手入れ表示を確認する
ジャケットが完全に乾いたら、お手入れ表示を確認するか、この革に保湿剤を使ってよいかメーカーに尋ねます。適した製品は革の仕上げや作りによって異なるため、お手入れ表示やメーカーの指示に従い、どの製品も先に目立たない場所で試してください。
よくあるトラブルへの対処
- 水ジミ、油ジミ:水分や家庭での対処法を重ねず、革の専門家に相談してください。
- カビ:文化財コレクション向けの博物館のガイダンスでは、相対湿度が約65%を超えるとカビのリスクが高まるとされています。ジャケットは風通しのよい乾燥した場所に保管し、ひどいカビは専門家に任せてください。
- インク、深い擦れ傷、広範囲のシミ:自宅で対処すると広がることが多いため、革のクリーニング専門店に任せましょう。
保管と日ごろの習慣
ジャケットは、しっかりした厚みのあるハンガーにかけ、日光や湿気を避けた風通しのよいクローゼットで保管します。カナダ保存研究所(Canadian Conservation Institute)は、文化財コレクションの革を吊るす際に、空気の流れと厚みのあるハンガーを勧めており、ジャケットにも同じ考え方が当てはまります。家庭用の化学薬品は避け、ジャケットを水に浸さないでください。着用後にほこりをブラシで払うほうが、あとから染み込んだ汚れを落とすより簡単です。
熱・光・湿気が大敵な理由
熱、光、湿気は、革にとって主な環境上のリスクです。着用する衣類ではなく文化財コレクションを対象とした博物館のガイダンスでは、強い熱や光は乾燥や色あせに、高い湿度はカビにつながるとされています。ジャケットの場合は、直射熱や日光の下で乾かしたり吊るしたりせず、着用の合間には風通しのよい乾燥した場所で空気に触れさせておくのが実用的です。
扱い方も大切です。手の皮脂や汚れは表面に移るため、着用後に襟、袖口、ポケットを乾いたクロスで拭くと、汚れが定着しにくくなります。型崩れを防ぐため、ハンガーラックには余裕をもたせて掛けてください。
色と仕上げによる違い
明るい色は汚れが目立ちやすいため、 は、 のような濃い色のものより、こまめに拭く必要があります。 の仕上げは経年変化を楽しむためのものなので、水分を最小限に抑えたやさしいお手入れが向いています。
よくある質問
レザージャケットは洗濯機で洗えますか?
通常はできません。お手入れ表示に従ってください。水に浸けたり回転させたりすると、革が硬くなったり縮んだり変色したりすることがあります。表示で手作業のお手入れが認められている場合は、湿らせたクロスと、その革に合ったクリーナーを使い、先に目立たない場所で試してから、風通しのよい場所で自然乾燥させます。ドライクリーニングのみと表示されている場合は、一般的なクリーニング店ではなく革の専門店に依頼してください。
レザージャケットに保湿ケアは必要ですか?
革の種類やメーカーによります。オイルやドレッシング剤で色が濃くなる革もあるため、まずお手入れ表示を確認してください。保湿剤が推奨されている場合も、少量を目立たない場所で試し、迷ったときは革の専門家に相談しましょう。
レザージャケットをドライヤーで乾かしても大丈夫ですか?
いいえ。ドライヤー、暖房器具、日光などの直接の熱は、革を乾燥させてひび割れの原因になります。時間がかかっても、厚みのあるハンガーにかけて、涼しく風通しのよい部屋で自然乾燥させてください。
家庭用洗剤は革に使えますか?
刺激の強い家庭用の化学薬品は避けるのが無難です。文化財コレクション向けの博物館のガイダンスでは、サドルソープのようなアルカリ性の製品は革を傷めるおそれがあるとされています。お手入れ表示やメーカーの指示に従い、その革専用のクリーナーを使って、目立つ部分を拭く前に目立たない場所で試してください。
執筆:Leather Collection編集チーム




