CEマーク付きのワンピース型レーシングスーツとは、メーカーが、通常はEN 17092規格シリーズによって、個人用保護具に関する欧州の規則を満たしていると表明しているスーツのことです。このラベルは質問の出発点であって、それだけで答えになるものではありません。スーツのフィット、中に入っているプロテクター、作りについては何も教えてくれません。このガイドでは、このマーキングの意味、クラスの文字が表すもの、 やほかのメーカーでワンピーススーツを注文する前に確認すべきことを説明します。
この記事のポイント
- CEマーキングは、EUのPPE規則に基づくメーカーの法的な表明であり、品質のランク付けではありません。
- EN 17092は衣類を五つのクラス(AAA、AA、A、B、C)に分類します。クラスが表すのは衣類であり、ライディングスタイルではありません。
- プロテクターは別に試験されます。たとえば四肢関節用プロテクターはEN 1621-1で試験され、Level 1またはLevel 2があります。
- 規格、クラス、プロテクターのレベル、書類を尋ねてください。これらがないラベルでは、ほとんど何もわかりません。
レーシングスーツのCEマーキングが実際に意味すること
バイク用ウェアは、欧州連合では個人用保護具(PPE)に分類されます。欧州委員会は、PPEのCEマーキングは、その製品が適用されるEU法令に適合している証拠であり、メーカーはPPE規則の基本的な安全衛生要件を、直接、または整合規格を用いることで満たさなければならないと説明しています(欧州委員会、PPEの概要)。整合規格に従うと、適合の推定が得られます。
同じページには、この種の機器については、適合を証明する証明書を発行できるのは認証機関だけだと記されています。実際には、スーツに「CE」と書かれているのを見たライダーは、どの規格が使われたのか、どのクラスやレベルで評価されたのか、どの書類が裏付けているのか、という三つの追加質問をしてよいということです。
EN 17092のクラスをわかりやすく
試験・研究機関のSATRAは、EN 17092:2020を、ジャケット、パンツ、ワンピースおよびツーピースのスーツを対象とし、クラスAAA、AA、A、B、Cに分類する規格だと説明しています。クラスAAAとAAでは肘、肩、膝、腰の衝撃プロテクターが必須で、クラスAでは腰のプロテクターが任意、クラスBには必須の衝撃プロテクターがなく、クラスCは上位クラスの衣類と一緒に着用する衣類向けです(SATRA、EN 17092)。
| クラス | 内容 |
|---|---|
| AAAとAA | 肘、肩、膝、腰の衝撃プロテクターが必須(SATRAによる) |
| A | 肘、肩、膝のプロテクターが必須。腰のプロテクターは任意 |
| B | 必須の衝撃プロテクターなし |
| C | 覆われる部位に限った衝撃保護。上位クラスの衣類と一緒に着用 |
これらのクラスを、ライディングスタイルへの近道として読むべきではありません。クラスは衣類に対する試験要件のまとまりであり、そのスーツが特定のサーキット、公道、技量に適しているかどうかを決めるものではありません。その選択は、フィット、プロテクター、状態を含む全体像によって決まります。
耐摩耗性の試験方法
EN 17092シリーズではダルムシュタット試験機を使います。SATRAによると、この試験は平均的なライダー(75 kg、1.75 m)がコンクリートの路面を滑る状況を再現し、設定された機械速度ごとに合格か不合格かで結果が出ます。購入者にとって大切なのは、結果が試験された衣類の構造に属しているという点です。スーツの革、パネル、縫い目を変えれば、試験された内容も変わります。
プロテクターは別に評価されます
膝、肘、肩、腰のプロテクターはEN 1621-1の対象です。この規格では、Level 1は平均伝達力が35 kN未満で、単一の結果が50 kNを超えないこと、Level 2は平均が20 kN未満であることが求められます(Wikipedia、バイク用プロテクター)。伝達力が低いほど、試験で身体に届く力が小さいことを意味します。バックプロテクターはEN 1621-2の対象で、こちらもLevel 2はLevel 1より低い伝達力を許容します。
ワンピーススーツでは、プロテクターがオプションであることが多いため、この点が重要です。 のスーツではプロテクターを選べる場合があるため、プロテクターのレベルは、CEという言葉から想定するのではなく、確認すべき項目です。たとえばTyroレザースーツの商品ページには、肩、肘、膝、腰にEN 1621-1 Level 2のプロテクターが記載され、追加オプションの中にもLevel 2の項目が表示されているため、注文に何が含まれるかは、書類とあわせてメーカーに確認しておくとよいでしょう。
ワンピースかツーピースか:ラベルの位置づけ
どちらの形式も同じ規格シリーズで評価できるため、ラベルが両者のどちらかを選んでくれるわけではありません。ワンピーススーツはウエストのつなぎ目がなく、サーキット走行と最も結びつけられる形式です。一方、 は、着脱のしやすさや、ジャケットとパンツで異なるサイズを選べる点で柔軟性があります。形式の判断はフィット、着心地、スーツの使い方によって決まり、規格やプロテクターに関する質問は、どちらにも同じように当てはまります。
ラベルを読むためのチェックリスト
- 規格。EN 17092とクラスの文字を探してください。古い規格が書かれている場合は、現行シリーズで評価されているかを尋ねてください。
- クラス。クラスは宣伝文句ではなく、書類と照らし合わせてください。
- プロテクター。各部位のプロテクター規格とLevel 1かLevel 2かを確認し、バックプロテクターが付属か任意かも確認してください。
- 書類。適合宣言書または証明書を請求し、同じモデルについて書かれているかを確認してください。
- フィット。体に合わないスーツでは、ラベルに何と書かれていても、プロテクターが位置からずれます。メーカーのサイズチャートを使い、オーダーメイドの場合は正確に採寸してください。
レーシングをイメージしたスーツとラベルの表示
多くのライダーは、まず見た目から やレーシングカラーをイメージしたデザインに目を向けます。スタイリングと保護性能は別の問題です。ライダーやチームをイメージしたデザインは、規格については何も語らないため、グラフィックにかかわらず、すべてのスーツに同じチェックリストを当てはめてください。男性用のサイズとカットは のカテゴリーで見られますが、ラベルに関する質問は変わりません。
ラベルではわからないこと
CEマーキングやクラスの文字は、スーツがどう保管されてきたか、事故に遭ったことがあるか、革がどれだけ経年変化しているかについては何も示しません。スライディングを経験した衣類は、見た目が無傷でも保護性能が失われている可能性があり、交換に関するメーカーの指針が適用されます。試験が表すのは実験室の条件であり、あらゆる実際の事故ではありません。ラベルは、フィット、プロテクター、作り、グローブ、ブーツ、バックプロテクターを含む装備全体と並ぶ、一つの証拠として扱ってください。
よくある質問
CEマーク付きのワンピース型レーシングスーツは、EN 17092のスーツと同じですか?
自動的に同じとは限りません。CEマーキングは、製品がEUのPPE規則を満たすと表明されていることを示すもので、バイク用ウェアの該当する整合規格はEN 17092シリーズです。古い衣類は以前の規格を参照している場合があります。ラベルと書類を読んで、メーカーがどの規格とクラスを表明しているかを確認し、書類がなければ請求してください。
クラスAAA、AA、A、B、Cは何を意味しますか?
EN 17092には五つの衣類クラスがあります。SATRAによると、クラスAAAとAAでは肘、肩、膝、腰の衝撃プロテクターが必要で、クラスAでは肘、肩、膝のプロテクターが必要で腰は任意、クラスBには必須の衝撃プロテクターがなく、クラスCは上位クラスの衣類と一緒に着用する衣類を対象としています。クラスだけでは、そのスーツがどのライディングスタイルに合うかはわかりません。
ラベルのプロテクターのレベルは、スーツ全体に当てはまりますか?
いいえ。膝、肘、肩のプロテクターなどは、たとえば四肢関節用プロテクターならEN 1621-1というように、それぞれの規格で評価され、衣類の耐摩耗性や縫い目の試験とは別です。一着のスーツに異なるレベルのプロテクターを入れられることもあるため、ご自身のスーツについて商品ページに記載されているプロテクターを確認してください。
オーダーメイドのスーツでもCEマーキングは付けられますか?
それはラベルの文言ではなく、メーカーと書類によります。そのスーツがどの規格、どのクラス、どのプロテクターについて表明されているかを尋ね、裏付けとなる書類の提示を求めてください。書類で裏付けられない主張は、判断に影響させるべきではありません。
Leather Collection編集チームによる記事です。

