サーキット走行会用のバイクギアを選ぶときの問いは、ひとつです。ライダーの体格、乗り方、安全面の要件に合っているかどうかです。ブランドや見た目を先に決めてしまい、届いてから着心地、プロテクターの位置、サイズに悩むライダーは少なくありません。ライディングポジションを前提に作られたスーツは、ずれにくく、関節の上にプロテクターを保ち、見た目だけで体に合わないギアよりも、走行枠を通して着やすいものです。このガイドでは、注文前に確認したいこと、重要な機能、避けたいサイズ選びの失敗を解説します。
重要なポイント
- プロテクターは肩、ひじ、ひざ、背中の上に留まる必要があるため、立った状態よりもライディングポジションでのフィット感のほうが重要です。
- ワンピーススーツはサーキット走行に向き、ツーピーススーツは公道とサーキットの両方で使う場合に実用的です。
- 採寸値がサイズチャートに合う場合は標準サイズで問題なく、サイズの中間にあたる場合や体型が標準的でない場合は、オーダーメイドのサイズが役立ちます。
- EN 17092は衣類全体を「AAA」から「C」までに等級分けし、EN 1621はプロテクターを「Level 1」または「Level 2」で評価しますが、どちらの等級も保護を保証するものではありません。
購入のポイント(要約)
サーキット走行会に参加するライダーやスポーツバイクのオーナーは、しっかりした革の作り、正しい位置のプロテクター、ライディングポジションでの確実なフィット感を備えたワンピーススーツ、または上下がそろったツーピースを優先しましょう。採寸値が標準のサイズチャートに合うなら、標準サイズで十分です。サイズの中間にあたる場合は、オーダーメイドのサイズでフィット感とプロテクターの位置を改善できます。街乗り中心のライダーや初めて購入する方には、ツーピーススーツのほうが実用的な場合が多いです。初心者は、色やロゴを決める前に、フィット感、プロテクター、作りを確認してください。

乗り方に合わせてギアを選ぶ
乗り方によって、求められる機能は異なります。
- サーキット走行会:前傾の強い姿勢でもずれにくく、丈夫な素材で、プロテクターの位置が合い、激しいコーナリングでもばたついたりずれたりする余り生地のないスーツ。
- スポーツバイクでの公道走行:サーキット向けの保護性能と、街乗りでの快適さのバランス。
- 街乗り:通気性と、バイクを降りたときの動きやすさ。そのため、ツーピーススーツやジャケットのほうが、ワンピースよりも実用的なことが多くなります。
- ツーリング:通気性と、長時間でも楽なシートポジション。
古いギアから買い替えるライダーは、自分のサイズやライディングポジションをすでに把握していることが多く、オーダーメイドのサイズも現実的な選択肢になります。すべてのライダーに合うスーツの種類やサイズの選び方はありません。乗り方と体の採寸値に合わせて選んでください。
フィット感、サイズ、確認したい機能
ライディングポジションでのフィット感
立った姿勢ではなく、ライディングポジションに合ったスーツなら、プロテクターが肩、ひじ、ひざ、背中の位置に保たれます。バイクにまたがった状態で、動きを妨げずに体に沿い、胸、肩、ウエストにたるみができないことが目安です。ゆるすぎるとプロテクターがずれることがあります。きつすぎると、着心地と動きやすさが下がり、着る頻度も減りがちです。
ワンピースかツーピースか
ワンピーススーツはジャケットとパンツが一体になっているため、ウエストの隙間ができず、サーキットでは一般的な選択です。ツーピーススーツは、屋内でジャケットを脱げるため公道では実用的ですが、つなぎ目が重要です。ジャケットとパンツをつなぐ全周ファスナーが付いているか確認しましょう。 、上下を連結するツーピース型は をご覧ください。
標準サイズかオーダーメイドか
採寸値がサイズチャートに合う場合は、標準サイズで問題なく着られます。サイズの中間にあたる場合、体型が標準的でない場合、プロテクターを特定の位置に合わせたい場合は、オーダーメイドのサイズが役立ちます。オーダーメイドでは正確な採寸が欠かせません。採寸を誤ると、せっかくの意味がなくなってしまいます。
注文前に確認したい機能
- 素材:レーシングスーツにはカウハイド(牛革)が一般的で、 などのスーツに使われています。革の種類と厚みは、商品詳細に記載されているはずです。
- プロテクター:プロテクターが付属しているか、「Level 1」か「Level 2」か、どの位置に入るかを確認します。
- 作り:負荷のかかる部分の補強ステッチ、なめらかなファスナー、確実な接続部。
- 着心地:肩、ひじ、腰のストレッチパネル、パーフォレーションやメッシュによる通気、柔らかな裏地。
- 相性:袖口と裾が、ライダーのグローブやブーツとなじむこと。ツーピーススーツには全周の連結ファスナーが必要です。
サーキットと公道で使うプロテクティブギアを比べたい方は、
をご覧ください。フィット感と安全性を軸にした商品が見つかります。公道用には、 も同じフィットの考え方で作られています。安全規格:EN 17092、EN 1621
2つの欧州規格が、スーツの設計目的を理解する助けになります。EN 17092は衣類全体を対象とする規格です。試験機関MCGによると、5つのクラスが設けられています。「AAA」(サーキット向けのレザースーツに適する)、「AA」(ツーリング)、「A」(軽い街乗り)、「B」(耐摩耗性のみ)、「C」(衝撃保護のみのプロテクター収納用ウェア)です。この規格シリーズは個人用保護具に関するEU規則2016/425の対象で、製品は取得したクラスをラベルに表示する必要があります。
EN 1621は衝撃用プロテクターを対象とする規格です。Wikipediaのバイク用プロテクターの概要では、EN 1621-1の四肢用プロテクターは、伝わる力の平均値を「Level 1」で35 kN未満(個々の値は50 kNを超えない)、「Level 2」で20 kN未満に抑える必要があるとされています。バックプロテクター(EN 1621-2)は、平均値が「Level 1」で18 kN未満、「Level 2」で9 kN未満であることが試験されます。数値が低いほど、試験でプロテクターを通過する力が小さいことを意味します。これらは実験室での等級であり、ライダーがけがを避けられることを約束するものではありません。そのため、プロテクターの位置とフィット感も、等級と同じくらい重要です。
着心地、動きやすさ、操作性
着心地は、ギアを着る頻度と、ライダーが集中できる度合いに影響します。ストレッチパネル、通気、裏地があると、長い走行枠や暑い季節も楽になります。ライディングポジションで体の動きについてくるスーツなら、ギアを直すことなく、バイクに集中できます。価値は価格だけでなく、フィット感、作り、プロテクター、そして乗り方への適合度で決まります。
よくある購入の失敗
- デザインだけで選ぶ:フィット感、プロテクター、作りが先です。
- ライディングポジションでのフィット感を無視する:バイクにまたがると、プロテクターは動きます。
- サイズを勘で選ぶ:サイズチャートに照らして、丁寧に採寸してください。
- プロテクターの位置を確認しない:またがった状態で、肩、ひじ、ひざ、背中の位置に合っているかを確認します。
- ゆるすぎる、またはきつすぎるものを買う:ゆるいとプロテクターがずれ、きついと動きが制限されます。
- グローブとブーツを見落とす:袖口や裾に隙間ができたり、たまったりしないようにします。
- どの商品も同じプロテクターだと思い込む:選択肢は商品によって異なります。
- 通気性の必要を軽視する:夏用やサーキット用のギアは、冬用や街乗り用よりも通気が必要な場合があります。
Leather Collectionは、バイク用ギアを受注生産で製作しています。標準サイズとオーダーメイドのサイズから選べるため、ジャケット、スーツ、グローブ、ブーツをセットで合わせられます。
購入の最終ステップ
- 主な乗り方を決める:サーキット走行会、スポーツバイクでの公道走行、通勤、ツーリング。
- 商品タイプを選ぶ:サーキット中心ならワンピース、兼用ならツーピース、柔軟に使いたいならジャケットとパンツを別々に。
- サイズチャートに照らして丁寧に採寸し、ライディングポジションでのフィットの注意点と見比べる。
- 標準サイズにするか、オーダーメイドのサイズにするかを決める。
- プロテクターの種類、位置、作りを確認する。
- 通気性、裏地、グローブとブーツとの相性を確認する。
受注生産の一例として、
をご覧になり、商品ページに記載されたプロテクターと衣類クラスをご確認ください。よくある質問
オーダーメイドのバイクギアは、標準サイズのギアより優れていますか?
どちらがすべてのライダーに優れているということはありません。標準サイズは、採寸値がサイズチャートに合う場合に適しています。オーダーメイドのサイズは、サイズの中間にあたる場合、体型が標準的でない場合、特定の乗車姿勢に合わせてプロテクターを配置したい場合に、フィット感とプロテクターの位置を改善できます。オーダーメイドを活かすには、正確な採寸が欠かせません。
レーシングスーツはワンピースとツーピースのどちらを選ぶべきですか?
ワンピーススーツはジャケットとパンツがつながっているため、サーキットでの積極的な走行中もウエストに隙間ができず、プロテクターの位置を保ちやすくなります。ツーピーススーツは、バイクを降りてジャケットを脱げるため、公道では実用的です。サーキット中心のライダーは通常ワンピースを選び、兼用のライダーは全周の連結ファスナー付きのツーピースを好むことが多いです。
バイクギアはどのくらいフィットさせるのがよいですか?
ライディングポジションで、動きを妨げずに体に沿う程度が目安です。バイクにまたがった状態で、胸、肩、ウエストにたるみができず、プロテクターが関節の上に位置している必要があります。ゆるすぎると転倒時にプロテクターがずれることがあり、きつすぎると動きと着心地が損なわれます。フィット感は、立った状態ではなく、乗車姿勢で確かめてください。
注文前にどのプロテクターを確認すべきですか?
プロテクターが付属しているか、EN 1621で「Level 1」か「Level 2」か、どの位置に入るかを確認してください。標準試験では「Level 2」のほうが伝達力の上限が厳しくなりますが、どちらの等級もけがの防止を約束するものではありません。ライダーがポジションに座ったとき、プロテクターが肩、ひじ、ひざ、背中に合っている必要があります。
採寸値が2つのサイズの中間にあたる場合はどうすればよいですか?
肩幅や胴の長さなど、プロテクターの位置に最も影響する採寸値を比べ、ライディングポジションでどのように着るかを考えてください。受注生産のスーツなら、オーダーメイドのサイズで迷う必要がなくなります。標準サイズの間で勘に頼って選ぶと、プロテクターの位置が合わず、乗りにくいスーツになりがちです。
執筆:Leather Collection編集チーム




